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北朝鮮ミサイル危機における地方自治体の国民保護体制について

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 4月21日、菅義偉官房長官は、記者会見において、北朝鮮から発射された弾道ミサイルが日本に落下した場合、すべての国民が身を守るために取るべき行動を取りまとめ、内閣官房ホームページにある「国民保護ポータルサイト」に掲載したことについて報告しました。

弾道ミサイル落下時の行動についてのホームページ(内閣官房国民保護ポータルサイト)掲載について
 菅官房長官:北朝鮮から発射された弾道ミサイルが日本に落下する可能性がある場合、政府は、地方公共団体と連携して、全国瞬時警報システム、いわゆる「Jアラート」を使用し、緊急情報を伝達することといたしております。最近、このJアラートによる情報伝達の流れなどを掲載した国民保護ポータルサイトへのアクセス数が急増し、内閣官房などに多数の問合せが寄せられるなど、国民の皆さんが高い関心を持っていることを踏まえ、政府では「Jアラート」による緊急情報の伝達があった場合に、国民の皆さんが身を守るためにとるべき行動をとりまとめ、本日、内閣官房のホームページにある「国民保護ポータルサイト」に掲載しました。また、地方公共団体に対してその旨を通知し、住民への広報について協力を要請したほか、都道府県の国民保護担当者に対する説明会を、本日開催することといたしております。政府としては、引き続き、米国、韓国等と緊密に連携をとりながら、いかなる事態にも対応することができるよう、緊張感をもって、情報収集、警戒監視等万全を期してまいりたいと思います。
平成29年4月21日(金)官房長官記者会見首相官邸ホームページ より引用
http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201704/21_a.html

私が特に注目したのはこのポイントです。
「地方公共団体に対してその旨を通知し、住民への広報について協力を要請したほか、都道府県の国民保護担当者に対する説明会を、本日開催することといたしております。」

政府が都道府県の国民保護担当者に対して説明会を実施したということで、福島県庁危機管理課に確認したところ、福島県では県内各市町村の国民保護担当者にも県庁から説明がすでに行われたことが確認できました。

 福島県では国民保護法に基づく国民保護訓練は、平成21年12月22日に実動訓練が一回、平成29年2月8日に図上訓練が一回行われたのみです。
 平成21年の実動訓練の想定(シナリオ)は、「東京電力株式会社福島第二原子力発電所が国籍不明のテログループによる攻撃を受け、多数の死傷者が発生するとともに、施設の一部が損傷した。また、設備の故障等も重なったことから、外部へ放射性物質が放出する恐れのある事態となった。」という、テログループによる原発に対する攻撃です。
 平成29年の図上訓練の想定(シナリオ)は「平成29年2月8日(水)12時50分、福島駅において、爆発物を用いたテロが発生し、死傷者が多数発生する。その後、国際テロ組織「Z」が犯行声明を発表、爆発物を所持し福島市役所東部支所に立てこもる。」という、テロリストによる福島駅の爆破と立てこもりという内容でした。
 つまり、弾道ミサイルの落下を想定した訓練は、まだ福島県では行われていません。弾道ミサイル落下を想定した避難訓練は3月、秋田県男鹿市を会場として政府主催にて初めて実施されています。仮想の「X国」からミサイルが発射され、秋田県沖西20キロの日本海に着弾したことを想定して、住民約110人が参加しました。報道によれば、政府は弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を、都市部を含む他の自治体でも行う方針を示しています。福島県においても弾道ミサイルの落下を想定した住民避難の訓練は必須です。特に、廃炉作業中の東電福島第一原発に対して、北朝鮮がミサイル攻撃を仕掛けた場合、放射線が飛散する可能性が高く、風向きによって避難する住民が変わります。危機管理は「最悪を想定して、最善を尽くす」ことを鉄則としているため、ぜひ福島県には弾道ミサイルの落下を想定した実動及び図上訓練の実施を強く求めます。

市町村自治体の国民保護に対する状況はどうなのかというと、市町村ごとに「国民保護計画」が策定されています。私たちが住む須賀川市では国民保護計画を平成19年3月に策定していますが、すでに10年が経過しているため、情勢に合わせて改訂版の必要があると思います。
では、市町村が単独で国民保護訓練をできるのかというと、「不可能」です。そもそも、国民保護法の正式名称は「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」であり、我が国に対する外部からの攻撃を前提としています。
参加する行政機関は内閣官房、防衛省・自衛隊、警察、海上保安庁、消防など様々な「指定行政機関」及び病院、赤十字、電気、ガス、水道、JR、バスなどの「政令で定められた指定公共機関」が国民保護訓練に参加します。そのため、市町村で、できることは「国民保護計画の見直し」と「食料及び医薬品の備蓄状況の確認」及び「都道府県が主催する国民保護訓練に参加」することだと思います。

最後に、あえて書きますが、住民の避難は「地方自治体の役割」であることを述べさせていただきます。
国民保護法第十一条には、地方自治体(都道府県)は、以下のような措置を取ることが義務付けられています。
第十一条  都道府県知事は、対処基本方針が定められたときは、この法律その他法令の規定に基づき、第三十四条第一項の規定による都道府県の国民の保護に関する計画で定めるところにより、当該都道府県の区域に係る次に掲げる国民の保護のための措置を実施しなければならない。
一  住民に対する避難の指示、避難住民の誘導に関する措置、都道府県の区域を越える住民の避難に関する措置その他の住民の避難に関する措置
二  救援の実施、安否情報の収集及び提供その他の避難住民等の救援に関する措置
三  武力攻撃災害の防除及び軽減、緊急通報の発令、退避の指示、警戒区域の設定、保健衛生の確保、被災情報の収集その他の武力攻撃災害への対処に関する措置
四  生活関連物資等の価格の安定等のための措置その他の国民生活の安定に関する措置
五  武力攻撃災害の復旧に関する措置

北朝鮮の弾道ミサイル攻撃を受けた場合、外国の軍隊による領土・領海・領空への攻撃を受けた場合、自衛隊は敵の攻撃に対応することに専念する必要があります。
武力攻撃事態における住民避難は、自然災害や原子力災害とは異なり、自衛隊ではなく地方自治体の役割になるのです。
また、地方自治体の訓練というと「形式的な訓練」、「劇場型の総合防災訓練」がほとんどです。そうではなく「実戦型の訓練」を構築していかなければ、実際の有事に即応できません。
国民保護法に基づき国民保護の体制整備を構築する責務は、地方自治体の首長にあり、地方自治体の体制整備を後押しするには、私たち地方議会議員が議会にて提言していくことが役割ではないでしょうか。

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