未分類

リーサスの地域経済循環図を活用して須賀川市内産業の「稼ぐ力」を分析

投稿日:

リーサスの地域経済循環図を活用して須賀川市内産業の「稼ぐ力」を分析します。

※「稼ぐ力」とは移輸出入収支額を分かりやすく表現したものです。

※移輸出・移輸入とは”市内で生産された商品”が”市外へ販売されること”が【移輸出】であり、 ”市外で生産された商品”を”市内へ購入してくること”が【移輸入】になります。 移輸出額と移輸入額の差し引きが移輸出入収支額です。

① 須賀川市の地域経済循環図(2010年)

https://resas.go.jp/regioncycle/#/map/7/07207/2

 

地域経済循環図の構成は【生産】【分配】【支出(消費&投資)】です。

※2010年以降のデータがまだ発表されていません

この3点をどのような視点で読み解くか解説していきましょう。

 

【生産】は「地域外に販売したいかを獲得している産業は何か」

【分配】は「域内に所得が分配されているか」

【支出(消費)】は「住民の所得が域内で消費されているか」

【支出(投資)】は「域内に投資需要があるか」

 

この4つの視点で須賀川市の地域経済循環図を読み解いていきます。

②生産(付加価値額)

第一次産業(農林水産業)の付加価値総額は56億円

第二次産業(製造業・鉱業・建設業)の付加価値総額は549億円

第三次産業(1次産業2次産業以外の産業。 電気・ガス・水道・運輸・通信・小売・卸売・飲食・金融・保険・不動産・サービス・公務・その他の産業)の付加価値総額は1572億円

順位は、市区町村単位は全国1,741市区町村におけるランキングとなっているため、付加価値額における一人当たりの順位では、第3次産業以外は1000位以下となっています。

ここで【生産】された付加価値が、次の【所得】に分配されます。その額は2177億円です。

 

③分配(所得)

次に分配(所得)を分析します。

地域の企業が稼いだ付加価値は賃金、配当、利潤等の形で地域に分配されているのか、確認します。

須賀川市の場合「雇用者所得」と「その他の所得」がともに地域外から「流入」しています。

雇用者所得の地域外からの流入=226億円

その他の所得の地域外からの流入=267億円

これはどういう意味かというと、「須賀川市に在住する人」が「市外の企業などで働き所得を得ている」ということです。

先ほどの【生産】における所得への分配が2177億円でしたが、地域外からの流入により【所得からの支出】は2670億円(+493億円)に増加しました。

④支出(消費と投資とその他の支出)

このグラフを見るたびに、「どうしたものか・・・」といつも悩んでいます。

この【支出】では、

地域で稼いだ所得が地域内で消費されるような、魅力的な消費の場が地域内にあるのか?

地域で企業は投資をおこなっているのか?

さらに、政府の支出(この場合は地方公共団体)はどうなっているのか?地域の移輸出入はどのようになっているのか?

個人消費、民間企業の投資、その他の支出三点を見ていきましょう。

個人消費は「支出流出入率ー1.4%」「地域外への流出22億円」

民間投資は「支出流出入率ー11.4%」「地域外への流出48億円」

その他の支出「支出流出入率-62.2%」「地域外への流出423億円」

その他の支出における地域外への流出は423億円!

須賀川市内から年間423億も漏れています。

では、このその他の支出とは何かというと、

1つは政府支出です。この場合は地方公共団体の支出を意味します。須賀川市が発注する公共工事や役所内のシステム契約などです。

2つ目に、移輸出入です(ここから難しくなります)。

地域経済循環分析解説書には以下のように書かれています

http://www.vmi.co.jp/reca/pdf/download-04.pdf

地域産業連関表においては、ある産業において、地域の総需要に対して地域内における生 産が不足している場合は、域外からその産業への財・サービスの移輸入として計上されます。逆 に、総需要以上に生産して供給できる能力があり、実際に域外に対して販売している場合には、 財・サービスの移輸出として計上されます。 地域経済計算においては、他の地域に居住する住民または法人との間の財・サービスのやり 取りがある場合には、同様に移輸出入として計上されます。 農業、製造業、観光業等のように、域外に主な市場を持ち域外に対し財・サービスを販売でき る基盤産業を持つ地域は、地域産業連関表において移輸出入収支額(=移輸出-移輸入)が プラスとなり、地域の所得を支えていることが分かります。

 

うーん、まったく、難しくて分かりませんw

非常に簡略化して説明すると、

須賀川市内の産業全体で「財やサービスがほしい!」という全ての需要(=総需要)を、市内の産業が生産する「財やサービス」で賄うことができれば、プラスマイナスゼロです。

しかし、須賀川市の産業では、この需要を満たすことができません。つまり「市外の産業から購入するしかない=移入過多」のため、移輸出入はマイナスです。

逆に言えば生産額が「地域内の総需要」を満たして余るほどであれば、地域の外に売ることができるため、移輸出入はプラスになります。

移輸出が多く、移輸出入収支額が黒字であれば、その地域の産業は「稼ぐ力が強く」、地域から「お金が漏れない」ということが分かります。

残念ながら【支出による生産への還流】は 2,177億円(-493億円)です。

最終的に須賀川市の「地域経済循率は81.6%」になりました。

今回のブログではここまでにして、次回はさらに深掘りしていこうと思います。

さて、これから京都に会派の行政視察です。

三日後のアップになる予定です。

 

最後に、参考までに郡山市と白河市の地域経済循環図をアップします。

郡山市は分配では、外に漏れている(郡山市外から働きに来ている人が多い)のですが、支出は消費、投資、その他の支出ともに、すべて黒字です。循環率は100%を超えています。

白河市の場合、【生産】では第二次産業が非常に高いことが特徴的です。

さらに【分配面】では「その他の所得」が黒字。

さらに支出では、個人消費は地域外に流出していますが、民間投資とその他の支出は黒字です。

循環率は須賀川市より高い96.2%!素晴らしい!(本音ではうらやましいです・・・)

-未分類

執筆者:

関連記事

憲法おしゃべりカフェを開催!

◇新春特別企画「憲法おしゃべりカフェ」 昨日は、雪の降る中、憲法改正についての勉強会にご参加頂き誠にありがとうございました。 また、講師の出島正人さんには、御多忙にも関わらず、ご講演頂き誠にありがとう …

須賀川特撮アーカイブセンター開館!

遂に!須賀川特撮アーカイブセンターが開館しました!! 特撮文化の継承と発展、特撮資料の収集、保管、研究の為の世界初のアーカイブセンターです。ハリウッドにも、東京にもない、円谷英二監督の故郷である須賀川 …

no image

東奔西走の一日

東奔西走の一日でした。 福島稲荷神社、自民党福島県連(福島市)→郡山駐屯地(郡山市)→須賀川市。 今朝は福島稲荷神社にて、自民党福島県連主催の「参議院選挙必勝祈願」に参加しました。 その後、県連本部に …

no image

今村雅弘復興大臣の発言について、福島県内の一地方議員として意見を述べます

 今回の今村雅弘復興大臣の発言について、福島県内の一地方議員として意見を述べさせていただきます。  私は被災地である福島県の地方議員として、今回の今村大臣の発言については、怒りよりも呆れ果てました。そ …

no image

西川神炊館神社秋祭り

今日は西川神炊館神社の秋祭りです。来賓兼スタッフとして、私もお祭りのお手伝いをしています。 良い天気です。日本晴れですね(^^)

最近のコメント

    カテゴリー