慰霊の日を政治利用することは許されるのか
1945年8月6日、アメリカ軍は広島市上空にて、世界で初めて核兵器「リトル・ボーイ」を使用しました。
人類史上初の核攻撃であり、この原爆により当時の広島市の人口約35万人のうち約14万人が死亡したと推計されています。
同年8月9日にはアメリカ軍は長崎市上空にて原子爆弾「ファットマン」正式名称「マーク3」を投下。長崎市の人口約24万人の内、約7万4千人が亡くなりました。
8月6日、9日は「慰霊の日」であり、ただひたすらに「御霊やすらかなれ」と祈るばかりです。
しかし、慰霊の日を利用して、反核・反原発運動の政治的な主張を街頭で叫ぶ団体がいます。静かに一日を鎮魂と祈りの日として過ごしていきたいという思いを踏みにじり、マイクとスピーカーから発せられる大音量のシュプレヒコールが、市内を練り歩くのです。
現場の様子をお伝えします。初めて8月6日に広島に来ましたが、本当にビックリしました。これでは心静かにお祈りできません。 pic.twitter.com/cQYx6FJ54W
— 杉田 水脈 (@miosugita) 2017年8月5日
動画は杉田水脈前衆議院議員が撮影した、広島市内の左翼団体の活動です。
慰霊の日に、大音量で政治主張を繰り広げるという、「非常識な行為」が当たり前のように行われています。
さらに、次の動画は過激派・極左暴力集団である革労協の広島市内におけるデモです。
極左暴力集団も活動しています。皆さん余程安倍総理がお嫌いなようです…。 pic.twitter.com/TqbMC9dXSC
— 杉田 水脈 (@miosugita) 2017年8月6日
動画に映っているのが革労協主流派か反主流派か、分かりませんが、メジャーな極左や有象無象の左翼団体が集まる日が広島の8月6日と長崎の8月9日です。
残念ながら、連中には「慰霊」の二文字はありません。
どれだけ過激派・極左団体が広島・長崎に集結しているのか、極左グループのホームページを見るとよくわかります。
①中核派
http://www.zenshin.org/zh/f-kiji/2017/08/f28660104.html
被爆72周年8・6―8・9反戦反核闘争スケジュール
8・6ヒロシマ大行動 (実行委員会主催)
8・9長崎闘争 (NAZENナガサキ主催)
②革労協主流派
8・6広島反戦反核闘争のよびかけ
http://zengakuren.info/170806hirosima_yobikake.html
③革労協反主流派
8・6 広島-8・9長崎反戦闘争へ
http://www.kaihou-sekisaisya.jp/
④共産同統一委員会
被爆72年 8・6広島青空式典に集まれ
8月6日には広島市内で大騒ぎをして、9日には長崎市内で騒ぐ、極左に反発した右翼民族派が街宣車で罵声を飛ばす・・・
ちなみに、ネット上での拾い物ですが「これが市民の声だな」という横断幕がアップされていました。
https://twitter.com/NzQ8iiddOtlT7SG/status/894013851418542080
・・・8月6日と9日は慰霊の日から政治主張の日に利用されています。
慰霊と鎮魂の日は、政治的主張を控え、ただ静かに祈りをささげる日であり、慰霊の日にデモ行進をしたとしても賛同者は絶対にいません。ただ自己欲求を満たすためだけです。
こうした「慰霊の日を踏みにじる」団体は、市外・県外から動員をかけて集まってきます。最近では、海外の極左集団や労組から「ゲスト」を読んでスピーチさせるなど、様々な手法を凝らしているので、渡航費やカンパ費用を考えるとかなりお金がかかっています。
中核派の今年の広島市内での8月5日の集会には韓国から「城西工団労組、ソンジュ・サード撤回闘争委員会」が参加していると書かれています。
いったい渡航費はどこから出ているのでしょうか?
8月6日と9日は業界用語で「はち てん ろく」「はち てん きゅう」と呼ばれています。
極左・左翼・右翼民族派が県内外から集まり、それに対応するため、全国から機動隊や公安関係者が集まるという、なんとも喧しい日になりました。
ここで、一つの疑問が生まれてきます。
「なぜ、この日にデモを止めることができないのか?」とう疑問です。
主にデモを完全に止めることができる条例は「拡声機による暴騒音の規制に関する条例」です。代表的な例として、東京都公安委員会では、音の発生源からから10メートル離れた地点で85デシベル以上であれば、条例違反となります。
http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1012206001.html
しかし、この条例が誕生したのは、右翼民族派が使用する街宣車を取り締まるためであり、極左や左翼団体ではありません。極左や左翼団体のマイクでは85デシベル以上の騒音はださないので、残念ながらこの条例では止めることはできません。
「では道路使用許可の届出時に、不許可にすればいいのでは?」と私も考えましたが、憲法における表現の自由を規制するため、よほどのことがない限り、規制することはできません。
※しかし、神奈川県警は昨年、在特会系のデモ行進についてヘイトスピーチを理由に道路使用許可を不許可としました。「公共の安寧の保持に直接危険を及ぼす場合以外は許可する」とする県公安条例の要件を満たすと判断しています。
http://mainichi.jp/articles/20160604/k00/00m/040/103000c
それならば、1960年代に暴動を起こし、道路上で投石や火炎瓶を投げた極左団体が、デモを行うことは、「暴動の危険性あり」として規制できるのではないか、と思うのですが・・・特に渋谷事件を引き起こした中核派のデモはどう考えても「公共の安寧の保持に直接危険を及ぼす」としか思えませんが・・・
とにもかくにも、よほどのことがない限り、極左・過激派のデモを中止させることはできません。それがたとえ慰霊の日であったとしても、止めることができないのです。
確かに表現の自由は確かに尊重されるべきと思いますが、「時と場所」を考えるべきではないでしょうか。
広島・長崎の慰霊の日から、7か月後の3月11日になれば、今度は福島県内にて中核派が大音量で騒ぎながらデモ行進を行います。
「慰霊よりデモ行進」を優先し、「鎮魂よりシュプレヒコール」で自己欲求を満たす団体は、遺族の気持ち、被災者の無念を逆なですることが分からないのです。いつか極左・過激派が社会から一層される日を望みます。
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