2月県議会における一般質問の全文をご報告します
1 風評・風化対策について
渡辺 東日本大震災から10年の節目において、本県の風評・風化対策を検証し今後の取り組みにいかすべきと思いますが、知事の考えを尋ねます。
知事 風評・風化対策について、これまで関係機関が一丸となった取組により、県産農産物の輸出量やインバウンドが震災前の水準を超えるなど着実に成果が現れている一方で、本県の農林水産物や観光への風評による影響は今も続いております。
さらに現在は、コロナ禍の影響により、私が直接対面して思いを伝える機会が減少しているほか、時間の経過により、本県への関心や応援意向が低下するなど風化も進行しております。
これら二つの逆風に打ち勝つためには、長期にわたる粘り強い取組とともに、新しい生活様式など様々な社会変容に対応した情報発信が必要であります。
このため、この10年の取組とその成果、課題を整理するとともに、直接影響を受けている関係者の意見や流通実態調査などの各種調査結果を基に分析・検証した上で、今年度中に風評・風化対策強化戦略を改訂し、取組の更なる強化を図ることとしております。
引き続き、私自らが先頭に立ち、全庁一丸となって、国や市町村、応援いただく企業等との連携を強化しながら、福島に対する理解がより深まるよう取り組んでまいります。
2 地方創生臨時交付金について
渡辺 地方創生臨時交付金を活用し、新年度においてどのような事業に取り組んでいくのか尋ねます。
企画調整部長 地方創生臨時交付金については、新型コロナウイルス感染症対策を進める上で、地方の創意工夫の下、自由に使途が決められる国の交付金であり、本県においても、社会・経済活動の維持や感染拡大防止の取組に最大限活用してまいりました。
新年度においても、引き続き、県内の感染状況や地域経済等の状況に応じ、この交付金を適時適切に活用し、診療・検査体制の強化や医療従事者への支援とともに中小企業のサプライチェーンの強化、観光周遊宿泊支援等に取り組んでまいります。
3 福島空港の利活用について
渡辺 ビジネスジェットの需要を踏まえた福島空港の利活用にどのように取り組んでいくのか尋ねます。
観光交流局長 ビジネスジェットの需要を踏まえた福島空港の利活用につきましては、利用件数の増加を図るための情報発信が重要であると認識しております。
今後、市場動向を的確に把握することはもとより、首都圏との近接性など、福島空港の強みを広くアピールすることにより、ビジネスジェットの需要を空港の利活用促進につなげるための取組を進めてまいります。
4 飼料用米の定着について
渡辺 飼料用米の作付けの定着に、どのように取り組んでいくのか尋ねます。
農林水産部長 飼料用米の作付けの定着につきましては、新たな費用や労働力を掛けずに、毎年安定した収入を確保できることから、経営の一部門に位置付けることが重要であります。
このため、利用者との複数年契約を誘導するとともに、作付けを拡大した分の面積に応じた県独自の奨励金の交付に加え、直は栽培等の技術指導や国の産地交付金を活用した団地化による低コスト化の推進など、飼料用米の作付けの定着に積極的に取り組んでまいります。
5 釈迦堂川について
渡辺 県は、令和元年東日本台風による浸水被害を踏まえ、釈迦堂川の整備にどのように取り組んでいくのか尋ねます。
土木部長 釈迦堂川の整備につきましては、国と連携して、令和元年東日本台風による洪水の検証を行いながら、氾濫防止のための対策を検討してきたところであり、今後は、国による国道4号から下流の整備と整合を図りながら、県管理区間の必要な箇所において堤防のかさ上げを実施するとともに、河道掘削や樹木の除去を行うなど、浸水被害の防止に取り組んでまいります。
6 流域治水について
渡辺 県は、阿武隈川水系の流域治水の中で、釈迦堂川についてどのように取り組んでいくのか尋ねます。
土木部長 流域治水の中での釈迦堂川の取組につきましては、阿武隈川水系全体の治水対策を検討するため、国や市町村と共に流域治水協議会を立ち上げており、令和元年東日本台風を踏まえた河川整備に加え、流域内で雨水の流出を抑制する対策や住民の避難行動につながるソフト対策など、効果的な施策を具体化し、関係機関の連携の下、須賀川地域の治水対策にしっかりと取り組んでまいります。
7 鈴川のバックウォーター対策について
渡辺 県は、鈴川について、阿武隈川からのバックウォーター対策にどのように取り組んでいくのか尋ねます。
土木部長 鈴川におけるバックウォーター対策につきましては、河川断面を確保するための河道掘削や樹木の除去に加え、堤防の上を舗装する堤防強化に着手したところであり、引き続き阿武隈川本川を管理する国と連携しながら浸水被害の軽減に努めてまいります。
8 国道294号について
渡辺 県は国道294号の天栄村・大里字・稲子沢・地内から字・沢邸・地内間の整備にどのように取り組んでいくのか尋ねます。
土木部長 国道294号の天栄村大里地内の整備につきましては、約1.6キロメートル区間について、道幅が狭く歩道が設置されていないことから、平成30年度に道路改良事業に着手し、現在、測量や設計を進めております。
今後は、地元に説明を行いながら、早期の工事の着手に向け、用地の取得に取り組んでまいります。
9 国道118号について
渡辺 国道118号の天栄村鳳坂峠から牧ノ内地内までの区間について、整備状況と今後の見通しを尋ねます。
土木部長 国道118号の鳳坂峠から牧ノ内地内までの区間につきましては、鳳坂工区において、トンネルの工事を進め、現在、掘削延長で約8割の進捗となっております。
引き続き、早期完成に向け、重点的に整備を進めるとともに、牧ノ内地内で改良が必要な区間については、今後、地元に説明を行いながら、調査等に着手してまいります。
10 都市公園のパークPFIについて
渡辺 県が管理する都市公園における、民間の資金等を活用した整備・管理手法、いわゆるパークPFIの導入について、県の考えを尋ねます。
土木部長 県が管理する都市公園におけるパークPFIの導入につきましては、本県の都市公園の特性や利用状況等を踏まえ、整備や管理に要する経費の縮減や利用者の利便性を図るために導入された全国の先行事例の調査を行ってまいります。
渡辺 市町村が管理する都市公園におけるパークPFIの導入を支援すべきと思いますが、県の考えを尋ねます。
土木部長 市町村が管理する都市公園におけるパークPFI導入の支援につきましては、制度の理解を深めるため、国と連携し、市町村への説明会や先進地の視察などを行っております。引き続き、先行事例の調査結果の提供や計画策定時の助言など市町村の意向を丁寧に聴きながら支援を行ってまいります。
11 コロナ禍の美術や音楽の授業について
渡辺 県教育委員会は、公立小中学校の美術や音楽の授業におけるICTの活用にどのように取り組んでいくのか尋ねます。
教育長 美術や音楽の授業におけるICTの活用につきましては、見る、聴く、触れるなど感覚を働かせる学習に加え、コロナ禍においても、遠隔により大学等の専門家から学ぶなど幅広い授業が可能であると考えております。
今後は、作品の制作や楽器の演奏などの体験を、オンラインで補完する活用事例を普及することにより、子どもたちの感性や創造性を育む教育を充実してまいります。
12 県立高等学校改革について
渡辺 統合校の校名決定に至る過程について、情報を広く公開すべきと思うが、県教育委員会の考えを尋ねます。
教育長 統合校の校名につきましては、それぞれの統合対象校において、まず、生徒、保護者及び教職員から校名案を募集し、その後取りまとめる過程で、同窓会やPTAなど日頃からご支援を頂いている学校関係者にお示しし、そのご意見を伺いながら両校が作成した複数の案を基に、最終的に県教育委員会が決定したところであります。今後は、統合する両校の伝統を継承しながら特色ある学びを構築するなど統合校の教育内容の充実を図り、新たな校名にふさわしい魅力ある学校づくりに努めてまいる考えであります。
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