5人の元首相の件でここ数日いろいろありましたが、主たる政治課題としては新型コロナのオミクロン株です。
福島県では2月2日現在、入院者数は322人、病床使用率は43.9%となっています。
連日500~600人の新規感染者が報告されていますが、そのうち重症者用病床使用率は2.1%であり、軽症・無症状が多いと聞いています。
全国で話題となっている「みなし陽性」ですが、福島県でも「みなし陽性」が始まりました。感染者の濃厚接触者となった同居家族に発熱などの症状がある場合、検査をせずに医師の判断で感染者とみなす仕組みです。目的としては保健所の業務ひっ迫を少しでも軽減すること、患者の早期療養につなげることと、いわれています。
また、濃厚接触者となった同居家族の自宅待機期間が8日目から待機解除になり、みなし陽性同様にコロナ対策が徐々に変わりつつあります。
しかし、抜本的な見直しには至ってません。
広島県のデータでは、60代以上の重症化率はデルタ株の4.3%に対し、オミクロン株は1.4%。オミクロン株はデルタ株に比べ、感染力は高いが重症化率は3分の1程度との傾向が出ています。
地元の医師からは「オミクロン株は重症化が低いのであれば、症状が出たら治療するという従来の医療体制に戻すべき」と声が出ています。さらに「季節性インフルエンザと同様の診療体制に戻し、保健所は病診連携のサポートに回るべき」との声もあります。
現在の新型コロナウイルス感染症は1類のエボラ、ペスト、ラッサ熱などと同様、いやそれ以上の規制が実施されています。消毒・就業制限・入院勧告・無症状者への適用・外出自粛要請・建物の立ち入り制限など。
ただし、オミクロン株を5類にすれば、こうした規制は適用されません。
果たして今の新型コロナ・オミクロン株は、致死率が極めて高い1類のエボラや2類の結核、SARSと同様に取り扱うべきなのでしょうか。私は5類にすべきと考えます。
昨年8月から現在まで、新型コロナウイルス感染症における「指定感染症の見直し」について、独自のルートで国政の関係者に訴えてきました。
安倍晋三元首相が読売新聞のインタビューで、新型コロナウイルスを感染症法の「2類相当」から「5類」に格下げするべきとの見解を述べていますが、自民党内でも意見は分かれています。
「見直しの必要性」に理解を示していただく国会議員もいれば、「そんなことをすれば感染拡大に歯止めが利かなくなる」と否定する国会議員もいます。
特に厚生労働を専門とする複数の国会議員から
「日本がイギリスと同様に規制緩和をすれば、1日で500人が亡くなる。」
「5類にすれば保健所を通さないため、開業医では感染管理ができない。余計混乱が生まれる。」
「オミクロン株は弱毒性だが、次に変異した強毒性の株が出てくる可能性もある」
「現在は検査や治療費などすべて無料だが、5類になれば有料化になる」との意見を聞いています。
規制緩和をすれば1日500人なくなるというのは、デルタ株のケースであり、オミクロン株には当てはまれないのではないでしょうか。
開業医では感染管理ができないといいますが、現場の医師からは「デルタ株で在宅死を生んだのは開業医を軽視したため」と聞いています。かかりつけ医の力を信用すべきと思います。
将来生まれるかもしれない強毒性の変異株を恐れるより、目の前のオミクロン株に合わせた法律や体制を構築するのが先です。
たとえ5類にしたとしても、予算措置を実施するのが政治ではないでしょうか。
新型コロナウイルス感染症対策については、発生初期に比べて最近では様々な特性がデータとして出てきました。コロナ対応についてもEBPMを徹底し、科学的根拠に基づく政策判断を行う時期に来ています。
特に人々の権利や行動等を制限するまん延防止等措置や緊急事態宣言の数値基準等を明確に示して国民の理解を得ていかなければ、国民の政府に対する不信感、都道府県に対する不信感が増幅していきます。
今回のオミクロンについて、従来の蔓延防止措置を適用した場合、野村総研の調べでは、経済損失1・1兆円、失業4万4000人増と出ました。このままでは、失業と倒産による自殺者数が増えていきます。
社会や経済そして教育などの様々な分野を犠牲にして、コロナ対策を最優先に行ってきましたが、もはや限界です。
コロナ対策と社会・経済・教育などの分野とのバランスは現在どうあるべきか、政府が判断する時期は今でしょう。
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