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そもそも、軍事組織の作戦に関わる日報を他の行政機関と同様の公文書管理で良いのか

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織田邦男元空将が書かれた「置き去りにしてはならない「日報」問題の本質」を読みました。http://aiminghigh.web.fc2.com/2017.8.20.pdf

「そもそもこういう軍事作戦に係る報告文章を他省庁と同様の行政文書に位置付けていいのだろう か。先ずはこの是非を含めて広く有識者を含めた議論が必要ではないだろうか。」
「諸外国で「戦闘速報」を一行政文書と位置づけ、逐一情報公開の対象にしている国は、 おそらく日本以外ないだろう。日報や戦闘速報は一次資料であり、歴史的にも重要な資料 である。であるからこそ、欧米諸国では、逐一「のり弁」(不開示を黒塗りにする)にして 部分開示するのではなく、永久保存とした上で 30 年後、あるいは 50 年後にそのまま完全 開示するようにしているのだ。」
「もしこれまでと同様、行政文書として扱い、情報公開も同様に扱うというのであれば、 部隊における情報公開の作業要員を増員し、部隊が本来の任務に専念できるようにしてや らねばなるまい。現行では国民の情報公開請求を制限することはできない。安全保障への関心の高まりを受け、今回のような情報開示請求が雨後のタケノコのように為されたら、 部隊は本来の活動より、そちらに勢力を集中しなければならない。まさに本末転倒であり、 真剣な検討が求められる。」
読んでいて思わず「そうだ!」と叫びたくなりました。
私のような元三等空曹ごときが、元航空支援集団司令官の織田空将に「そうだ!その通り!」と言うのは大変失礼かとは思いましたが、敢えて書かせていただきました。
この日報問題について論評する識者や報道関係者には、「そもそも、軍事組織の作戦に関わる日報を他の行政機関と同様の公文書管理で良いのか」という根本的な議論がされていません。

さらに、自衛隊に対する情報公開請求への対応作業はとてつもない労力を費やします。
「日報は毎日 50~70 ページに及ぶ文書であり、1 週間分でも約 500 ページにもなる。日報 が開示請求されると、「不開示情報の妥当性」に照らし、どこを開示し、どこを不開示にす るかという作業が始まる。この作業量は膨大なものである。しかもその調整は陸幕情報公開室、陸幕担当課、CRF、そして内局と多岐にわたる。その労力たるや大変なものである。 他方、部隊にはその作業に係る要員は数名しかいない。ただでさえ忙しいのに、情報公開 の作業で忙殺されれば、本業が疎かになり本末転倒だと副司令官が危惧したとしても不思議ではない。」
私も空自現役時代に行政文書の管理を担当した際には「本来の任務が忙殺されるほど膨大な作業」だったことを覚えています。
自衛隊が他の行政機関と同じ公文書管理で良いのかという「根本的な議論」がないことは、日報問題の顛末は、現場の自衛官を疲労させるだけで終わってしまうのではないかと、危惧しております。

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