恐れていたことが現実になりました…
「日銀福島視点12月15日発表の県内短観」は業況判断指数が前回9月調査から横ばいになり、全国の水準を3期連続で下回りました。
先月11月30日に日銀の原田泰審議委員が指摘したとおりの結果です。
新聞記事には日銀福島支店の菅野支店長は製造業の改善予想について「期待を込めた予測といった印象」と答えています。うーん…期待予測ですか。困ったな…
小生が今の福島県内の経済状況をどのように見ているのか少し書きます。
まず、一部を除き、県内の震災復興関連の大型工事や除染が終了してきたことにより、「復興需要はピークアウト」になっています。
しかし、残念ながら「復興需要の次の需要」はなく、県内経済を牽引する力がないため、全産業の業況指数は横ばいを維持しています。
原田泰日銀審議委員が先月の記者会見で述べたように、本来なら「製造業の生産拡大が需要を支えるはず」でしたが、福島県内ではそうはならず、「全国の景気回復とは対照的に緩やかな回復に留まっている」状況です。
今後は全国的な景気拡大の波が波及する事で、景況状況は改善されることが期待されますが、あくまで期待予測の範囲内でしかないのです。
また福島県の政策について考察します。
福島県は浜通りの相双地区を中心に、ロボットテストフィールド、水素製造工場などイノベーションコースト構想に関する政策投資を行っています。平成29年度福島県予算における新産業創造プロジェクトは347億円です。
ロボット、ドローン、再生可能エネルギー、医療機器、航空宇宙といった新たな産業育成に、復興の意味を込めて、震災後の福島県はかなりの投資をしてきたと思います。しかし、それでも「復興需要の次の需要として製造業の生産拡大」に繋がらないのは、一体どういう理由なのか。
小生が考えるに、「イノベーションコースト構想や新産業創造プロジェクト」に関する莫大な予算が、県内製造業の生産拡大には波及していないのではないか、と推測しています。
あくまで推測ですが、福島県は県土が広く、相双地区や浜通りを中心に新産業創造予算を投資しても、県土全域に波及するのは、難しいと思います。
さらに、新産業、イノベーションコーストに関わる企業に、都内の大手企業が主として関わっていれば、予算が東京の企業に流れているのではないか?という推測です。
以上の件は私の推測ですが、確かに須賀川市内の経済関係者に話を聞くと「非常に厳しい」という答えが返ってきます。
復興需要の次の需要を作らなければ、福島県の経済は全国の景気動向に常に遅れをとることになります。ここは政策の点検が必要なのではないでしょうか。
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